1Q84読み直し(Book3 Ch.11-15)【ネタバレあり】
11. 青豆 タマルにNHKの集金人が再び来たと手紙を書く。タマルからは妊娠キットが届き、2つ試してみる。どちらも陽性。95%の妊娠の可能性を示唆している。天吾の子供ではないだろうか。今は驚き混乱しているが健康的な好奇心もある。タマルとの電話で妊娠していること、産むつもりでいることを告げる。 12. 天吾 旅館に戻り少ない荷物をまとめる。父親の病院に行くが、昨晩一緒に飲んだ看護婦たちはいない。父親に話しかける。生きる屍というのは見せかけで、肉体を昏睡状態にして意識を色々な場所に飛ばしているのではないか。月が二つあること、空気さなぎが現実の世界に現れた。世界のルールが緩み始めている。ここに来て、ある意味あなたと和解できたのではないか。もうNHKの集金人ではないのだから、ドアをノックしないでほしい。 そう伝えて東京に戻った。部屋にふかえりはいなかった。代返を頼んだ友人に電話をするとふかえりから手紙を預かったという。明日とりにいくことにし、あてもなく散歩をする。天吾が青豆を探しているように青豆も天吾を探している?青豆は近くにいる?月が見える場所に行かな
1Q84読み直し(Book3 Ch.6-10)【ネタバレあり】
6. 天吾 海辺の小さな「猫の町」で静かに暮らす。もう一度空気さなぎが現れることを期待して。アイザック・ディネーセンの「アフリカの日々」を看護婦に読み聞かせる。ふかえりに電話する。カラスが毎日やってきて、NHKの集金人がきてドロボーだと言ったと報告される。小松の出版社に電話するが本人はいない。他の編集者は小松は無口で内省的になったと言う。予備校で代行をしてくれている友人に電話をして、月の様子をそれとなく聞いてみる。その後、看護婦たちに誘われて焼き肉屋とスナックに行く。 7. 牛河 老婦人や青豆の調査も行き止まりになり、金を使って情報収集をすることにする。「コウモリ」に依頼し、青豆の家族の情報と青豆のスポーツクラブの営業記録を取得する。老婦人(緒方静恵)と青豆はスポーツクラブの護身術のクラスで出会い、親しい個人と個人になり、やがて精神的な密約が結ばれ、さきがけのリーダーの殺害に至る。牛河の嗅覚が「暴力的ななにか」が大きなテーマになっていると知らせる。青豆は11歳の時に証人会から脱会している。小学生の時に何があったのか?そして、天吾と同じ小学校に通っ
1Q84読み直し(Book3 Ch.1-5)【ネタバレあり】
1. 牛河 牛河と、坊主頭(穏田)とポニーテールが話している。牛河に青豆の周辺調査を依頼してから3週間が経ち、牛河が判明した事を部分的に報告する。青豆の家族は証人会の熱心なメンバーだが、青豆は若くして背教している。証人会がからんでいるとは考えられない。青豆の通話記録にふたつの気になる点。ひとつは警視庁新宿署交通課と何度か電話をかけあっている。8月に交通課の婦人警官がラブホテルで刺殺された事件と関係があるかもしれない。もうひとつは、正体不明の番号から何度か青豆に電話があり長電話している。穏田らには話さなかったが、青豆が個人インストラクターをしていた顧客の中に、気になる老婦人がいた。その老婦人が提供するセーフハウスは念入りすぎるガードが張られている。 「リトルピープルって名前を耳にされたことはありますか」という牛河の質問に穏田は「ありませんね」と答える。その返事のタイミングがいささか早すぎる。 2. 青豆 ベランダに座り天吾を探すことが日課となる。 9月初め、青豆は首都高の退避スペースで銃口を口に突っ込み自らの命を絶とうとした。その瞬間、自分の名前を
1Q84読み直し(Book2 Ch.21-24)【ネタバレあり】
21.青豆 月を見るため、ジャージにスウェットを着てベランダに出る。ココアを飲みながら、家に置いてきたゴムの木のことを考える。どうしてあのゴムの木のことが気になるんだろう。そして孤独の中で殺されたあゆみのことを考えて泣いた。ふと目をやると、道路を挟んだ向かいにある児童公園で、一人の男が滑り台のてっぺんで月を見上げている。その男は、青豆と同じように二つの月が見えている、と青豆は確信する。その男も1Q84年に漂流してきた人の一人か。それともさきがけの回し者か。男を観察しつづけ、青豆は唐突に知る。それは天吾だった。どうすればいい?しばらく迷い、青豆は決心して公園に向かう。しかいそこに天吾はもういない。結果的にこれでよかったと思う。天吾と巡り会えたのだ。私には用意ができている。でもその前にひとつだけ訪れなくてはならない場所がある。 22.天吾 児童公園を出て、あてもなく歩き回ったが結局家に戻った。千倉から電話があったとふかえりが言う。電話をかけなおすと、天吾の父親は昏睡状態にあるという。身体に悪い場所はないのだが、生きる意思が希薄になっているようだ。明日
1Q84読み直し(Book2 Ch.16-20)【ネタバレあり】
16. 天吾 目覚めると、前の世界とさして変わりがないように見えた。少ししてふかえりが起きてくる。長い間小松さんに会っていないので3人で会うことをふかえりに提案する。「かまわない。それができるなら」1時過ぎに小松の会社に電話すると、1週間程仕事を休んでいるという。別の編集者は「空気さなぎ」はいささかよく書けすぎていて、どこかひっかかると告げる。ガールフレンドに小松、天吾のまわりの人が消滅している。次は天吾かもしれないというと、ふかえりが「オハライ」をしたから大丈夫だと言う。天吾は青豆の行方を探し始めるがなかなか糸口が見つからない。会いたいと思う。大事な意味を持つ人に。ふかえりはが「そのひとはすぐちかくにいるかもしれない」と言う。 17. 青豆 朝のニュースではさきがけのリーダーが死んだことについて言及されなかった。普通ではない人間を殺した普通ではない感覚が青豆に残っている。タマルから電話があり、夜中にさきがけの人間が招集され死体が運び出されたとのこと。老婦人が正しいことをしたと青豆に感謝し、4日〜1週間で青豆はこのマンションを出て新しい顔と名前が
1Q84読み直し(Book2 Ch.11-15)【ネタバレあり】
11.青豆 床にヨガマットを敷き、男をうつぶせにさせる。男の体を痛みがかなり伴う方法でほぐしていく。最後にアイスピックの入ったケースを取り出し、首筋を確認する。何かが青豆を押しとどめる。そして気づく、男はこれから何をされるか知っている。男は自ら「完璧な治療」を求めている。リトルピープルとは、男の娘=ふかえりが「小さな人たち」と呼んだことから。そして男は「声を聴くもの」となった。男は置時計を遠くから持ち上げてみせ、その力を青豆に見せつけた。青豆はもう男を殺すつもりはない、苦痛に苛まれ、ぼろぼろになって死ぬべきだと告げる。男は、青豆の友達のあゆみが死んだことを知っていて、青豆がすでに特別な存在になっていると言う。彼らは青豆に直接攻撃できないため、警告を与えるために脆弱な部分を狙った。そして、「ここで私の命を奪ってくれるならかわりに天吾の命を助ける」と男は言う。青豆の心から一歩も外に出ていないことを男は知っている。「1Q84年に足を踏み入れた」と、青豆が作った言葉を使って男は言う。 12.天吾 雨が降り出す前に家に戻った。優美抜けに事務封筒があり、講座
1Q84読み直し(Book2 Ch.6-10)【ネタバレあり】
6. 天吾 しばらく状況は変わらなかったが、ある日、小松から分厚い封筒が届く。空気さなぎの書評や関連記事と、新日本学術芸術復興会についての調査結果の報告。何か裏がありそうであり、さきがけが絡んでいる可能性がある。ここのところ誰からも電話がこない。盗聴されている?空気さなぎの書評を読む。火曜の夜9時過ぎ、安田さんから電話がかかってくる。「家内は既に失われてしまったし、どのようなかたちにおいても、あなたのところにはもううかがえない」 また電話が鳴る。今度は牛河から。助成金を受け取るように催促をしつつ、天吾に忠告を与える。「よく事情を知らないうちに、特殊な蛇口をひねって特殊なものを外に出してしまったみた」「あなた方はメイン・キャリアみたいな役割を果たしている」 7.青豆 ホテルオークラに早めに着き、待ち合わせの場所へ。私は何かを予感している。逃げたい気持ちを戦いながら祈りをとなえる。二人の男が時間ぴったりに声をかけてくる。二人にはさまれてエレベータに乗り、部屋に入る。二人のボディーチェックをなんなくクリアする。「普通ではない存在」を目にすることになるが
1Q84読み直し(Book2 Ch.1-5)【ネタバレあり】
1.青豆 老婦人の家。犬が死に、タマルと老婦人の様子がおかしい。それに加え、犬が死んだ次の夜、つばさが消えた。 さきがけのリーダーによってレイプされたと思われる少女は今のところ4人。うち2人は教団内でリーダーと共に生活している。4人目の被害者がつばさ。1人目はリーダーの実の娘。老婦人は青豆にリーダーの始末を依頼する。その後、整形をし会社を辞め全く違う人間になることを青豆は了承する。タマルに拳銃を1丁お願いする。タマルはサハリン生まれで両親に会ったことがない。チェーホフ「物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない」タマルは拳銃を用意することにPositiveではない。 2.天吾 ヤナーチェックのシンフォニエッタを聞きながら朝の仕事。ガールフレンドは古いジャズが好き。予備校の昼休みに牛河といういんちきくさい男が訪ねてくる。新日本学術芸術復興会の専任理事で、天吾の私情をかなり詳しく知っている。将来有望な天吾に3百万円の助成金を出すという。今長編小説を書いていることや、ふかえりと関わっていることを知っている。「我々は知っている」ということ

【読了】やさしいけしき
自分の本棚の並べておきたい本と出会いました。 著名な作詩家たちのアンソロジーです。 リズミカルな詩は、目をつぶると四季の移り変わりや自然の情景を映し出し、 読み終わった時は、じわーっとあったかい気持ちになりました。 線画のような挿絵も、視覚的にやさしい気持ちにさせてくれる。 心温まるやさしい詩をこれだけ選んでまとめるのは、至難の業ではないかと思う。 日本の詩ベスト版に出会ったような気分です。 創造力も刺激されて、色々な言葉が浮かんでくる浮かんでくる。 言葉は面白い。 にゃ。 #book
1Q84読み直し(Book1 Ch.20-24)【ネタバレあり】
21.青豆 図書館であけぼのとさきがけについて調べる。報道はおおむね、さきがけはクリーンであるような好意的な印象でされていた。喫茶店に行き、あゆみに電話をかけさきがけについて調べてもらえるよう頼んだ。3日後あゆみから電話が来て、さきがけの情報が届く。山梨の教団周辺の土地を買いあさっているため民事訴訟が起きている。どこからかかなりの額の資金が出ている。山梨県内だけではなく、東京の一等地にも土地を購入している。さきがけ内の子供たちは地元の小学校に通っているが、みな精神的なトラブルを抱えているおようにみえる。高学年になるにつれ口数が減り、表情がなくなり、無感動になり、やがて学校に来なくなる。 22.天吾 脳について考える。時間がいびつなかたちをとって進み得る。 年上のガールフレンドとのセックスは、彼女がすべてリードしてくれるので楽。天吾のパジャマを着て眠っているふかえりの寝顔を思い出して射精する。 空気さなぎはベストセラーになる。ふかえりがいなくなってからしばらく穏やかな日々が続く。空気さなぎ2週間ベストセラーの1位になった数日後、小松から電話。悪い方