古いブログから ~東日本大震災、体験記⑨

March 10, 2016

不安要素 2011/07/27 19:39

 

地震後、3週間被災地にいる間、もくもくと街全体を覆っていた不安要素をここに書いておく。
今後またどこか違う場所で災害が起きたときに、ひとつでも一日でも早く解決するように。

【余震】
当たり前だが毎日余震がきた。電気が戻るまではロウソクも使っていたから、大きな揺れがきたらすぐ吹き消すように気を張っていなければならなかった。いつまで地震が続くか分からないから、本震で倒れたキッチンの棚はとりあえず倒したままにしておいた。落ち着いてきたら起こせばいいと思ったけれど、一体いつ落ち着くのだろう。

【ガソリン】
地震から一、二日目、ガソリンスタンドに長蛇の列。1時間や2時間待ちというレベルじゃない、一日がかりだ。
私の家族は諦めた。車のガソリンは底をついた。
ガソリンスタンドのガソリンも入荷待ちになった。
それでも長蛇の列はなくならなかった。ガソリンがないガソリンスタンドに並んで夜を明かす車もあった。私は諦めた。自転車で行けるところまで行くのだ。
死んでしまった車はただの箱になった。きっと何日かすればガソリンが届くよ、もうちょっとの辛抱だ。何週間か待って、ようやく10リットル入れることができた。

【電気、ガス、水道】
電気が戻らなければ、マンションでは水道は使えない。
ともかく電気が一日も早く戻ることを祈った。1日目、2日目はただひたすら祈ったが、4日目は絶望に近い感情だった。東北は見捨てられたんだとも思った。ラジオからの情報はごく限られたものだったから、きっとどっかの原発が爆発でもして東北は見捨てられたのだと。
そんな思考をかき消しながら家の片付けをしていた4日目の夕方、ふいに電気が戻った。

【ガス】
風の噂で、ガスは復旧まで1ヶ月と聞いたから、諦めはついていた。
家にあるガスボンベは一個。これで食料を暖めたり焼いたりした。どこに行っても、ガスボンベは売り切れていた。ダイエーかヨドバシに行けば、並ぶけど絶対買えるという噂も聞いたが、街のダイエーから勾当台公園の方まで人が並んだと聞いて気が滅入った。
そうこうしているうちに、祖父母の家に避難していたおじさんがガスボンベを届けてくれた。
私の祖父母の家はプロパンだから調理には困らないというのだ。こんな風に助けられて生き延びた。

【食料】
地震発生後、コンビニやスーパーからあらゆる食料が消えた。残ってるのは、酒と雑誌。ここぞとばかり酒を購入するおじさんも見かけたが。15階のベランダから、なんとなくトラックが通るのを期待して見ていた。地震から1週間弱は自転車を30分以上こいで、確実に食料を手に入れられるスーパーに並んだ。家族3人バラバラに3箇所のスーパーに並んだりもした。購入できる個数は大体5個~10個と決められていたから、不安を埋めることはできなかった。

【生活必需品】
トイレットペーパーがなくなった。
サランラップを皿代わりにすると洗い物がでない、という情報でサランラップを使っていたら底をついた。風呂に入れない分、ウェットシートで体を拭いていたらすぐに底をついた。最低限でいい、今日を生きるために必要なものが、なくなっていく不安があった。
需要と供給がバランスを取り戻すのを祈るばかりだった。

【情報不足】
電気が戻るまで、携帯の情報とラジオのみが情報源だった。今思い返すと、ツイッターが何よりも頼りになった。色々な情報が行き交っていたけれど、無知よりも全然よかった。
携帯は充電できず1日目の夜に死に絶え、ラジオだけがたよりだった。一体何がどうなってる?ものすごい津波がきたのは分かったけれど、すぐ近くの街で何が起きているのか分からない不安。
とても残念だったのは、電気が戻ってテレビをつけても、そこには欲しい情報があまりなかったことだ。どんなに大変だったか、どんなに可哀想か、そんなドキュメンタリーばかりで前向きな気持ちになんてなれなかった。

【原発】
電気が戻るまで、女川原発のことも福島原発のこともほとんどmentionされなかった。福島原発で「小さな穴があいた」みたいな話は聞いたが、実際に映像を見た時「終わったな」と思った。
穴じゃないじゃん、原型ないじゃん。うそつき。
女川原発のことは何も言われてなくて、そっちのほうがもっと怖かった。何か隠してるんじゃないのか。うそつきども。何も信じられなかった。

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